「モーツアルトの美意識を探る」(コンサート記憶帳⑦)
立川市と市内にある国立音楽大学の、交流協定締結記念として、「モーツアルトの美意識を探る~あなたは長調、それとも短調?」をテーマとした、解説付きのコンサートがありました。2009年3月30日、アミュー立川大ホール。『協定』が、どのような内容のものかは、よくわかりませんが、地元でのこのような文化エベントが、開かれることは大歓迎です。- 国立音大教授の磯山雅さんのソフトな解説は「長調と短調2つの異なった書き方のあることが、音楽の世界をどれほど豊かにしてきたことでしょう。どちらかしかなかったとしたら、音楽の世界は、男性のみ、あるいは女性のみの社会のように、味気ないものになったに違いありません。本日は『長調か、短調か』に注目しながら、作品にこめられたモーツアルトの美意識を探ってみましょう」ということから始まりました。
- 有名な小林秀雄の評論「モオツアルト」を引き合いにしながら「ト短調」の一種宿命的な悲しみ、深み、その裏返しの「ト長調」のもモーツアルトならではの軽やかさ、飛翔感についても、触れられました。
- プログラムは、第1部がセレナード第13番ト長調 K525《アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク》、とピアノ四重奏曲第1番ト短調 K478、第2部が《魔笛》K620ハイライト 室内楽版でした。
- 長調と短調、解説にしたがうと、次のようになりました。
長調 |
短調 |
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1787年 (ト長調) |
ピアノ四重奏曲第1番ト短調K478、1785年 (ト短調) |
<摩笛>K620 1791年 |
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おいらは鳥刺し(パパゲーノ、ト長調) |
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なんと美しい絵姿(タミーノ、ホ長調) |
怯えるでない、わが子よ(夜の女王、変ロ長調、ト短調) |
愛を感じるほどの殿方には (パパゲーノ、パミーナ、変ホ長調) |
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なんと強いのか、お前の魔法の音は (タミーノ、ハ長調) |
ああ私は感じる、愛の幸福の去ったことを(パミーナ、ト短調) |
私のタミーノ!おお、なんという幸せ (パミーナ、タミーノ。ヘ長調→ト短調→ハ長調) |
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パ、パ、パ! (パパゲーノ、パパゲーナ。ト長調・ト短調) |
- 特に「魔笛」のハイライトが印象的でした。なかでも、パミーナの母・夜の女王が、超高音域で歌うのはなにやら恐ろしげな一方で、連れ去られた王女パミーナを思うやさしさも歌いあげられていました。さらに、神殿に忍んだ夜の女王が、支配者のザエストロを憎み「地獄の復讐が心に燃える」を歌うところ、超絶的コロラトゥウーラのニ短調のアリアは、息を飲む大迫力でした。黒いドレスのソプラノは、品田昭子さんという方らしいが、みなさん、大変な技量の持ち主揃いだった中でも、いちばん印象に残りました。
- 公演日:2009年3月30日
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