モーツアルト 「クラリネット協奏曲」 (国立音大コンサート)
「モーツアルトの晩年の境地をさぐる」と題したコンサートに出かけた。年に1度、国立音大の新入生歓迎会での予定プログラムを、それに先がけて、そのまま市民会館で聴けるというコンサートで、ことしで3回目。縁あって、3回ともすべて出かけている。3月25日。

1791年、35歳の若さで亡くなったモーツアルトが、最晩年に作曲した二つの名曲が演奏されたのだが、まず前半の「クラリネット協奏曲 イ長調 K622」だった。
この協奏曲が完成したのは、モーツアルトの死のわずか2ケ月前。
『モーツアルト全作品辞典(ニール・ザスロー)』には“細部のどこをみても、モーツアルトが最後の協奏曲で見せる完璧な技術に畏怖を感じずにはいられない。耳は驚嘆するが、この奇跡的な作品のより深いメッセージを理解できるのは心だけである。この曲の静かな諦めはしばしば指摘されてきたが、それはモーツアルトが作曲中におそらくは自身の病気の程度を理解していたことを暗示しているのであろう”と書かれている。
クラリネットのソロは武田忠善さん。国立音大1975年卒業とあるので、今50代の後半?”わが国最高峰ののソロ・クラリネット奏者として評価され、古典から現代音楽に至る幅広いレパートリーを持ち、楽器の可能性をも超えた甘美な音楽性とその妙技により多くの人を魅了し続け、ますます脂の乗った演奏で既に円熟の域達している”と紹介されていたが、真近で見る舞台上の名人芸は、なかなか、出会えないものだと、感じた。ともかく、その渋さに、ジーンときた。
栗田博文さん指揮によるクニタチ・フィルハーモニカーの、オーケストラが、すごく透明な音色で、クラリネットとの掛け合いが、これ以上息を合わせるのは望むべくもないレベルだった。繰り返しになるが、素晴らしいコンチェルトだった。
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後半の「魔笛」第1幕、これまで2~3度魔笛の公演を見たり、DVDでもおなじみだったので、親しみを持って鑑賞できた。ちなみに「魔笛」の初演は、クラリネット協奏曲完成のすぐ前の9月30日(亡くなったのは12月5日)。
中でもパミーナを歌った松原有奈さん(二期会)、モノスタートス役の今尾滋さん(二期会)がよかった。ほかの出演者のみなさんも、経歴をみると一流の方々ばかりで、立川市民であるわれわれ聴衆に、モーツアルトのよさ、あるいは、オペラの面白さを、心をこめて届けようと、頑張っておられることが伝わってきて、気持ちがよかった。
第1幕の上演だったので、第2幕にある例の、夜の女王”地獄の復讐がこの胸にたぎる”を聴くことはできなかった。まあ、仕方がない。そのぶん、演奏会冒頭の「序曲」を、たっぷり聴かせてもらったので、よしとしよう。
(写真は、ウイーンのシュテファン大寺院。2002年8月撮影)。
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クアルテット・エクスエウシオというグループで、全曲を8年間かけて演奏してきたという(写真はプログラムから。実物はすこし歳を重ねて、輝きを増していた)。









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